
– すっかり秋模様です
先日、24作目となるJames Bondの映画、”Spectre”を観ました。
映画のレビューではなく、言語・翻訳の点で気になったことを書きます。
Sonthéはボンドシリーズの熱狂的ファンではないのですが、友人に誘われて急遽この映画を観ました。
邦題は、『007 スペクター』、仏題では、« 007 Spectre »だそうです。
Madeleine Swannを演じたLéa Seydouxが、フランスの映画、« La vie d’Adèle »、英題では、”Blue Is the Warmest Colour”のEmma役だとすぐに気が付きました。
« La vie d’Adèle »はフランス語(と英語字幕)で観たため邦題を知らなかったのですが、調べてみると、『アデル、ブルーは熱い色』なんですね。
« Le bleu est une couleur chaude » という原作を訳したものが英題のようです。
邦題はフランス語の一部と英語の両方を盛り込んだ、ある意味なんとも欲張りな題名です。
疑問なのは、”Warmest”を「熱い」と訳したことです。
突っ走る若者のありきたりな恋愛模様を描いた映画でないことを踏まえると、「熱い」というよりも、特に結末は悲しくも温もりが感じられるかと思います。
とは言え、『ブルーは暖かい色』はなんだかしっくりきません。
「熱い」と「暖かい」はどちらも「あ」からはじまり、「アデル」と韻を踏んでいます。
3文字・音節の「アデル」と同じで「つ」にストレスを置く「熱い」にすると聞こえがいいため、邦題も納得できなくはないです。
「暖かい」は4音節ですので、リズムが良くないのかもしれません。
ここまで書いて果たして日本語で「アデル」のどこにストレスを置くか分からなくなってしまいました。
アデルの「デ」が強調されるように発音することを前提に書きましたが、どうもAdèleとアデルが発音上結びつきません。
アデルの3音節をしっかり発音すると「ル」が強く聞こえるので、どうも不自然です。
見つけました。
『アデル、ブルーは熱い色』予告編
最後に邦題が読み上げられていますが、やはり、「ル」が耳に残ります。
翻訳は難しいということを言いたかったのですが、邦題が全て駄目というわけではありません。
ただし、翻訳者の解釈によって台無しになってしまうこともあるということを念頭に入れる必要があります。
例えば、Sherlock Holmesの、”The Adventure of the Speckled Band“の邦題が『まだらの紐』で、作品が題名によって台無しになっています。
ネット上に詳しく書かれているので、興味のある方は調べてみると面白いかと思います。
個人的に日本語にむやみやたらに外来語を混合するのはあまり好まないため、何故、青ではなくブルーなのかも疑問です。
全てを無理やり日本語にしないである程度理解されやすい範囲での外来語の利用は問題ないかと思います。
この文章を無理やり変な英語まじりに変換するとこんな感じでしょうか:
オールセンテンスをバイフォースでジャパニーズにしないでトゥーサムイクステント、コンプレヘンシブルなローンワードのユースはノープロブレムというのが私のオピニオンです。
我ながらお粗末な文章です。これは日本語ではないです。
日本語を話しましょう。それが嫌なら、他言語も話しましょう。
多くの人々が作品を楽しめるようになることが翻訳の利点の一つですので、原語を踏襲した翻訳が望ましいのは明らかでしょう。