今年も毎年楽しみにしているITVのBritain’s Got Talentのシーズンがやってきました。
先週、2016年のショーが始まりましたが、その中で12歳のBeau Dermottさんがミュージカル“Wicked”の”Defying Gravity”を歌い、審査員のAmanda HoldenさんがGolden Buzzerを押したことにより、無条件で準決勝に出場できることとなりました。
非常に素晴らしい歌声で準決勝が待ち遠しいのですが、一部メディアで彼女が不正行為をしたのではないかと言われています。
Britain’s Got Talent faces new ‘cheat’ storm as it’s revealed golden buzzer act Beau Dermott, 12, received ‘vocal training’ for four years from top stage school
つまり、イングランド北西部、WarringtonにあるStagePro Academyという名声のある音楽学校で歌のレッスンを4年(一部メディアでは5年とも)に渡り受けていたのを審査員に伝えなかったのは”cheat”だと各紙が12歳の女の子を叩いています。
それを読んでSonthéが思ったのは、世界中どこにも偏屈はいるのだなということです。
なぜ素直に賞賛できないのでしょうか。
質の高い歌のレッスンを受けたら誰もがプロの歌手になれるのでしょうか。
Beauさんの父親、Ian Dermottさんが不正ではないとおっしゃています。
レッスンは月に一度か3ヶ月に一度程度で、それはBeauさんに自信をつけさせるためだとおっしゃっています。
Britain’s Got Talentの代弁者によると、
But a ‘BGT’ spokesperson has defended the young singing sensation, who said she still suffers from nerves.
“Just because she has had singing lessons, it doesn’t mean that she doesn’t get nervous when performing as was stated on the show,” the spokesperson said.
“Adele, who is the biggest selling artist in the world, suffers from nerves when performing, so it’s not surprising to think that Beau would as well, especially given that she is a 12 year old schoolgirl.”
Hear, hear.
‘Britain’s Got Talent’ Contestant Beau Dermott Is Having The Last Laugh After Being Rejected From Rival Talent Show
Hear, hear: そうだそうだ(もしかしたら皮肉かもね)。
プロだって緊張して歌詞を忘れたり音が合わなかったりするのに、12歳の子供を叩くのは間違っています。
やはり、このような品のないことを書くのはTabloid紙ですね。
The SunやDaily Mirror、Daily Mailが有名ですが、Sonthéは一度もこれらの新聞を読んだことはありません。
高級紙(The Daily Telegraph, The Independent, The Guardian等)だけが新聞だと思っているので、タブロイド紙には全く興味がありません。
今回は、どのようにBeau Dermottさんのことを書いているのかが気になり、Daily MailやDaily Mirrorのウェブサイト記事を読みましたが、嫌な表現を散りばめていて読んでいて不快になりました。
まず、いちいち年齢を出してくるのが嫌味な気がします。
“The electrifying performance prompted Amanda Holden, 45, to hit her golden buzzer, automatically sending the youngster through to the live semi-finals.”
What a first impression! Amanda Holden hits her golden buzzer to send talented singer Beau Dermott, 12, straight into Britain’s Got Talent semi-finals
また、全く関係のない父親のIanさんの職業もさりげなく記事に書くのも如何なものかと思いました。
まあ、これは英国の風習でもありますが。やはり社会的階級の影響は根深いです。
“Bricklayer Ian, 52, said it would be “crazy” not to give kids experience in smaller contests to prepare then for bigger ones.”
Beau Dermott’s dad denies claims the Britain’s Got Talent star is stage school veteran
(http://www.mirror.co.uk/tv/tv-news/beau-dermotts-dad-denies-claims-7750393)
とはいえ、人は叩かれてこそ上にのし上がれるのです。
Beauさんにはこのバッシングに負けずに素晴らしい歌声を今後も響かせてほしいものです。
将来の英国の音楽・舞台シーンを引っ張る期待の新星だと思います。
数年後に、メディアに叩かれたことを笑ってほしいものです。
第1シリーズのBritain’s Got Talentで優勝したPaul Pottsさんもイタリアで歌のレッスンを受けていた事実があります。
レッスンを受けたとしても誰もがプロにはなれません。
それでは、教習所で自動車免許を取得したら全員が生涯に渡って事故を起こさず、プロドライバーになれるのでしょうか。
水泳教室に通えばオリンピックで金メダルを取得できるようになるのでしょうか。
くだらないことしか書けないTabloid紙は読むに値しないと再確認できました。
そうは言っても人の上に立つことばかりが賞賛に値するというわけでもありません。
支える方々のおかげで、上の立場の方々が活躍できるのです。
清掃員や、レジの店員、タクシーやバス、トラックの運転手がいなければ世の中は回りません。
ある意味、そのような職業の方がどのような世界情勢でも安定しているのかもしれません。
不景気でも皆空腹になり買い物をする必要があり、汚れたら清掃しなければならない。
貧乏でも病気になり、髪は伸び、服は必要になる。
一方で、知識や能力でお金を稼ぐ職業は需要がなければ意味がない。
インターネットに頼りきっている現代社会で電気やインターネット回線にトラブルが生じたら、技術者が直すまで自分たちでは何もできない。
コンピュータをはじめ、どの電子機器も工場で組み立てられている。その労働者がいなければ何もできない。
しかしながら、そういう場所でも研究されたのちにできた技術、コンピュータ等を使うので、職業や社会的階級に関わらず、お互いに支え合っているのが現段社会だとなぜ気がつけないのでしょうか。
とにかく、Beau Dermottさんのいる英国の未来の音楽業界は明るいはずです。
賞賛できることは賞賛するのが精神衛生上いいのではないかと思います。
ちなみに、YouTubeでは短縮された動画しか観ることができませんが、本放送でBeauさんが”I’m here with my mum, my dad and my brother”と冒頭に言いましたが、非常に特徴のある北のアクセントをお持ちでした。
北のアクセントは、母音が南部とは違い(例えばmumやbrother)、また、語尾が若干上がるのが特長です。
YouTubeの動画でも、”I’m gonna be singing ‘Defying Gravity‘ from the musical Wicked“と太字にした部分が、尻上がりです。
尻上がり気味に話すのは、近年英国の若者に流行している話し方でもありますが、北のそれとは違います。
品がありながらもどこか温かみのあるアクセントで非常に聞きやすいと思いました。
母親のKarenさんはもっと特徴的な、尻上がりのいかにもな北のアクセントをお持ちでした。