ロンドンのブロードバンド事情:5Gモバイルブロードバンドに仮移行

@winniepix

ロンドンに長年住んでいる立場として、ブロードバンドの実情を数年前から書いています。

最近の記事はこちら:

シェア物件や学生寮だと、入居時に契約してあるサービスを利用するだけかと思いますが、ずっと一人暮らしをしているため、自分で契約から解約、トラブル対応、プラン変更、ISP(インターネット・サービス・プロバイダー)変更等、ブロードバンドに関わる全ての手続きを経験しています。

何度か引っ越しも経験しているため、ロンドン市内の地域差や建物によるブロードバンドへの影響、サービス移行も実体験を通して理解しています。

英国のブロードバンド事情ではなく、あくまでもロンドン市内のブロードバンド事情です。

英国も広いので、ロンドン市外の情報は把握しきれないため書かないことにしています。

ロンドンのブロードバンド事情も変化を遂げている部分もあるため、現代生活の基盤となるインターネットに接続する手段としてのブロードバンドの最新情報を把握することはとても重要です。

例えば2017年に紹介したRelishは2019年に通信キャリアのThreeに買収され、Three Broadbandとして今でもサービス提供されています。

ロンドンのブロードバンドは申し込みからサービス開始まで時間がかかり、1・2週間であれば運がいい方、場合によっては数週間かかることも珍しくないため、引っ越しのタイミング等でインターネットに接続できない時期が発生することも考えられます。

携帯電話と同じく、電波を使ってインターネット接続できるモバイルブロードバンドはその市場の隙間を狙ったサービスで、Relish時代から個人的には条件付きでありながら、十分に選択肢の一つになると信じています。

特に、2019年から英国では5Gが利用できるようになり、ロンドンでは十分とは言えないものの、大分普及してきているため、5Gの電波の入りがいい条件が揃っている場合は検討する価値があるのではないでしょうか。

ただし、Threeのやる気を感じられず、Three Broadbandのサービス提供地域が限られており、ロンドン市内でも対象外の地域も多々あります。

電波に頼っているため、サービス提供地域の窓際に5Gモバイルルーターを設置できるか、屋外アンテナを設置できる(外壁にボルトを固定するために穴を空ける簡単な工事ができる)ことが必須条件です。

モバイルブロードバンドは、5Gモバイルルーターが届き次第すぐにインターネットに接続できる、Three Broadbandは最大150Mbpsと、5Gの高速通信の利点を活用できるという点が魅力です。

最大150Mbpsはロンドンでは十分に速いです。日本の事情とは大きく異なります。

ただし、その理想値は現実には難しいことも多々あります。

Relishは4Gだったものの、通信速度が安定していなかったですし、天候に影響されることもあり、速いときは速いが、遅いときは使い物にならないほどに遅い、というのが本音です。

英国生活において、期待しないことと、諦めは大切です。

悪天候、大雨や強風、推測ですが大雪(ロンドンでは十数年に一度程度でしょうか)は5Gの電波と基地局の設備に悪影響を及ぼすこともあり、自ずと5G通信のスピードが落ちます。

また、悪天候時は外出する人が減るため、インターネット利用者が増えることから、通信が混雑してスピードに影響が出ます。

他にも基地局やその他、電波に関連する工事の影響を受けることも多々あります。

それでも、有線のブロードバンドに比べると利用料金が同等かそれより若干安く、すぐにブロードバンド環境を手に入れられる手軽さが需要を支えています。

有線のブロードバンド(最大手ISPはBT)も不安定で、天候に影響されることがあります。

常に工事を繰り返しているため、急に不安定な通信になることもあります。

地域的にブロードバンド回線が安定していないことも珍しくなく、引っ越す理由の一つになりかねません。

ロンドンの個人宅で快適なブロードバンド環境をお手頃な価格で手に入れるのは非常に難しいです。

一般的な家庭向けのブロードバンドの利用料金は月£20(約¥4,200、£1 = ¥210で換算)から£40(約¥8,200)程度です。

ビジネス向けのブロードバンドは家庭向けとは異なる事情ですが、値段が高いからと言って、特段優れているわけでもありません。別の悩みがあるというだけです。ここでは省きます。

主にビジネス向けの専有線のブロードバンド契約もありますが、サービス開始まで時間がかかり、利用料金も毎月£300(約¥63,000)以上、中には月数千ポンドのものもあり、非常に高額で、個人契約は現実的ではありません。

ということで、過去にRelishで4Gモバイルブロードバンドに対して、比較的いい思いがあるため、2025年に自宅のブロードバンド事情に悩まされたことから、5Gモバイルブロードバンドを試してみることにしました。

モバイルブロードバンドと大層なことを言っているかのように説明していますが、スマートフォンにテザリングしてインターネットに接続していることと同じです。

ポケット型Wi-Fiも似たようなものです。

モバイルブロードバンド用のSIMを入れることができる5Gルーターを電源に繋いで、電波が入りやすい窓際に置けば設置完了です。

ISPと契約する一般的な、最も簡単な方法ではなく、5Gルーターを購入して、SIMを別途契約して、全て自分で設定する方法を選びました。

ちょうどルーターを買い替えようと思っていたため、タイミングはよかったと思います。

全て自己解決しなくてはいけないため、トラブルが続くと困りますが、ブロードバンドに対して今まで苦い思いをし続けているため、ISPのサポートはあまり期待していません。

家の中のことは自分で解決できる環境を整えたいという考えです。

今回、大手ISPの対応があまりにも酷く、それなりの利用料金を支払っているのにも関わらず、インターネットに接続できない状況が数日続いたため、大手ISPに期待することはやめました。

これでようやく大手ISPとの契約を解約できます。

持ち運びできるバッテリー搭載型のポケット型Wi-Fiの利点も理解できますが、個人的な使用目的にそぐわないので選択肢から外れます。

持ち運びしないもののバッテリーを常に自宅で充電し続けなければならないのは、昨今のモバイルバッテリー爆発・発火の事例を見ると気が引けます。

電波を必要とするため窓際に設置することとなりますが、暖かくなりがちかつカーテンが近くにある場所にバッテリーを置き、万が一火災が発生した際のリスクを考えると、個人的には選択肢に入りません。

テザリングもスマートフォンのバッテリーの消費が激しくなるので緊急時のバックアップに留めたいです。

自宅で働く場合に、有線ブロードバンドの調子が悪いときのバックアップとしてスマートフォンからテザリングすることもあったため、それをメインのインターネット接続手段にしたくありません。

また、LANケーブルで接続する通信機器も使用しているため、有線接続できない環境は却下です。

英国には4つの通信キャリア(大手MNO)があります。どこのSIMを選ぶかによって、5Gモバイルブロードバンドの質が変わります。

メインのスマートフォンをgiffgaffのSIMで使っているので、O2の電波を使用していることになります。

5Gモバイルブロードバンドが使えなくなった場合にテザリングでインターネットに繋げるよう、リスク回避のためO2以外の通信キャリアを選びたいです。

スマートフォンと5Gモバイルブロードバンドを両方ともO2の電波に頼ってしまうと、何らかの事情でO2が使えなくなったときに、インターネットに一切接続できない事態に陥ってしまいます。

在宅勤務中にインターネット環境が皆無になってしまうと重要なミーティング等があった際に大きく影響してしまうため、個人のインターネット環境もリスク回避を考えておく必要があります。

メインで使っているスマートフォンのSIMをgiffgaff以外に変えることは今のところ考えていないので、自ずとO2とその電波を使うMVNOがモバイルブロードバンドの選択肢から外れます。

英国では最大の利用者数を誇る、大手らしい、比較的安定した電波が好印象です。

最近、O2の契約期間中の値上げが話題になっていますが、giffgaffは安価で使えるのでとても気に入っています。

Threeはサブのスマートフォンで使っていますが、個人的にサービスが昔からあまり好きではなく、VPNとの相性が悪いことがインターネット上でも多数報告されているので避けます。

個人的にも仕事上でも、VPNを常用しているため、少しでも影響があると困ります。

EEはビジネス向けには安定したサービスを提供しているので気になりますが、強気の価格設定のため、費用対効果を考えると選択肢に入りません。

すると、消去法でVodafoneが最適ということになりますが、VodafoneのMVNOであるVOXIを利用していたときにひどい対応をされたことがあるため、Vodafoneではなく、そのMVNOから選ぶことにしました。

キャリアの選択肢が4つしかなく、ロンドンであっても、全ての電波が良好に入る環境ではないので、個人的な感情は二の次、電波の入りと値段を優先して、Vodafoneの電波を再度試してみることにしました。

最近になってVodafoneはThreeと合併して、親会社がVodafoneThreeになったのでVodafoneとThreeはお互いの電波を相互利用できるようになりました。

Threeの電波の入りが特段いいわけではありませんが、今後に期待ということでしょうか。

VodafoneのMVNOは4つあります:

  1. Asda Mobile
  2. Lebara Mobile
  3. Talkmobile
  4. VOXI

その中から、今回はTalkmobileを選びました。

ただ、公式サイトではデータ無制限の案内がなく、オンラインチャットで問い合わせて契約しました。特別なプランなのかどうかは分かりません。

1ヶ月契約で自動更新ですが、その月の利用料金を払えば、好きなタイミングで解約できるのでお試しにちょうどいいと思います。

公式にデータ無制限プランが発表されていないので、契約内容によって利用料金が異なる可能性がありますが、月£16(約¥3,360)で契約できました。

そして、2日後にSIMが郵送で届きました。

モバイルブロードバンドに必要となるSIMの選定には注意が必要です。

一般向けのSIMは個人利用のみ可能なので、商用利用は不可です。

ビジネスでの使用の場合は素直にビジネスプランを契約しましょう。

また無制限通信と謳っていても、Fair usage policyやSpeed limitという名の制限をかけている場合がほとんどです。

中にはテザリングの台数制限がかかっていたり、はたまた制限がないプランもあります。

契約・申し込み時に約款を読み込み、自己責任で確認するしかありません。

5GルーターはWi-Fi 6(802.11ax)対応のものを選びました。

最新のWi-Fi 7(802.11be)対応の5Gルーターは高価かつ対応商品が少ない、あくまでも仮の移行という予定だったので、そこまで投資したくないという理由から選びませんでした。

そもそも、5Gはそこまでのスピードが出ないため、Wi-Fi 7は無意味かと思います。

5Gルーターは通常の家庭用のルーターと同程度の価格帯ですが、£150(約¥31,500)から£300(約¥63,000)が標準的な価格帯のようです。

この記事を参考にされても何もサポートできないので、被害者を産まないため、実際の商品名は書きません。

特定の通信キャリアしか使えないSIMロックがかかっていたり、特定の通信キャリア仕様の中古品を改造してSIMフリーにした若干怪しい商品(通信キャリアのロゴが印字されているのにSIMロックがかかっていない謎仕様)があったり、聞いたことのないウェブサイトすらないメーカーのルーター、中古品で中に何が仕込まれているか分からないものも市場に沢山出回っているので注意が必要です。

SIMの契約においても、英国の銀行口座があり、英語が理解できることという大前提もありますので、こういう方法も世の中にはある、というくらいの雰囲気で読んでください。

5Gモバイルブロードバンドは想定していた通り、インターネットに繋がるときは速くて快適、何らかの理由により繋がらないときは全く繋がらない、という感じで、値段の割には快適という程度でした。

仮の環境としてブロードバンド環境を整えようとした場合、許容範囲ではありますが、これで長期的に過ごすことは難しいことが分かりました。

次にどうするかは、今後アップデートしようと思います。

英国でも非常に恵まれたブロードバンドを安価に使える方・建物も増えているようですし、反対に今でも苦労することも珍しくありません。

サポートなしのインターネット環境は高リスクですが、上手くいけば好きに設定できる自由度の高さを維持費抑えて手に入れることができます。

通信キャリアのSIMカードに対するサポートは得られますが、データ無制限でもモバイルブロードバンドルーターでの使用は想定されていない場合も多いため、関連する質問をすると嫌がられるかもしれません。

もちろん、規約違反ではない使用方法であることを確認済みですが、細かい質問をすると知識が乏しいのか、解答にやたら時間がかかったり、嫌がられていることを感じたりします。

ロンドンのブロードバンド契約初心者にはおすすめしませんが、ロンドンのブロードバンド事情に辟易した方で、5Gの電波の入りのいい環境に住んでいる条件が揃っている場合は検討の余地があるのではないでしょうか。

One thought on “ロンドンのブロードバンド事情:5Gモバイルブロードバンドに仮移行

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