Super university誕生:London and South East University Group

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英国初となるSuper university、大学グループ「London and South East University Group」が2026年9月7日に正式に誕生します。

1年越しに計画が実現することになります。

以下の記事でも取り上げています:

  1. London and South East University Groupによる英国イングランドの高等教育機関改革計画
  2. 衰退する大学ビジネス:LASEUGは英国イングランドの高等教育を変えるのか

正式名称は「London and South East University Group」ですが、通称「LASE University Group」または「LASE」と呼ばれます。

過去の記事でも触れた通り、ドメインは「lase.ac.uk」です。

ロンドン南東部にあるUniversity of Greenwichとイングランド南東部にあるUniversity of Kentの2つの大学が統合して、一つのSuper universityという、英国では新しい運営体制の大学グループが設立されました。

LASEという新生大学ができたわけではなく、運営母体としての大学グループの新設と、その大学グループの下で運営される2つの独立した大学、University of GreenwichとUniversity of Kentが存在する、という位置付けです。

今後はLASEの両大学の学生は施設を相互利用できたり、色々な面で大学グループの恩恵を受けられるように制度を整えていく計画があるようですが、まだ詳細は発表されていません。

この点はロンドン大学の仕組みに類似している部分があります。

一部ロンドン大学が提供するコースもありますが、基本的にはロンドン大学の連合メンバーの大学に直接入学するという仕組みで成り立っており、ロンドン大学共通の施設や学生への利点がある、という点は似ていると言えるでしょう。

Vice-chancellor(副学長)ですが、University of GreenwichのVice-chancellorであるProfessor Jane Harringtonが、LASEのVice-Chancellor and Chief Executive Officer (ex officio)に就任しました。

University of KentのActing Vice-Chancellor and PresidentであるProfessor Georgina Randsley de Mouraは、LASEのSenior Deputy Vice-Chancellor and Deputy CEOになりました。

英国の高等教育機関は副学長が運営の責任者となり、学長は形式上の名誉職のような位置付けです。

すると、Chancellor(学長)は誰かと気になりますが、University of KentのChancellorを2024年から就任していたYolanDa Brown OBE DLがLASEのChancellorに任命されました。

University of Kentから学長、University of Greenwichから副学長をLASEに呼んだようで、両大学が平等に扱われている世間にアピールするためのバランスが取れているように思います。

独立した大学運営を行うため、副学長の下に、Deputy Vice-Chancellor and Provostがそれぞれの大学にいます。

Provostが大学(カレッジ)の学長として運営面の責任を持ちます。

一部の私立大学を除き、英国の大学はチャリティー(慈善団体)でありながら、企業としてビジネス展開を行なっていることになっているため、登記上はLASEは旧Thames Polytechnic(設立時はWoolwich Polytechnic)の流れを汲む、旧University of Greenwichが企業名を変更して運営を継続していることになっています。

旧University of Kentの方が古く、Royal Charter(勅許)によって設立された歴史がありますが、LASEの誕生によって吸収されて消滅しました。

LASEが運営する大学ブランドとしてはUniversity of Kentが残ります。

大学というと、学位授与権(degree awarding powers)も大切な点ですが、University of GreenwichとUniversity of Kentの両大学が引き続き学位を授与するとのことです。

LASEという大学の学位が授与されるわけではない点は、歴史あるロンドン大学の学位授与権とは異なります。

もっとも、ロンドン大学は世界的な影響も大きいことから、歴史的に政府や法律の観点からも特別に守られている、優遇されている面も多いため、LASEの比較対象ではありませんが、今後の運営体制は他の英国の大学に大きな影響を与えるものとなるでしょう。

地方の経営難に陥っている大学は存続をかけて、統廃合を行うことは確実でしょうから、LASEが成功したら、同様のコンセプトを採用する大学が出てきて当然だと思います。

まだ体力があるものの、独立した運営では将来の生き残りが難しくなることが想像できる、新制大学「Post-1992 university」であるUniversity of Greenwichと、1965年設立の「Plate glass university」であるUniversity of Kentの統廃合は、新制大学同士の統合ではない点も話題となりました。

ロンドン周辺という、比較的好立地な条件を活かした長年のコラボレーションを経て、LASEを設立するという経営戦略は、英国の高等教育機関に風穴を開けることになるのでしょうか。

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